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オカヤドカリを飼ってみたいと思ったとき、最初に迷ったのが「何を用意して、どんな環境をつくればいいのか」ということでした。
水槽があればいいのか。床材はどのくらい必要なのか。水はどうするのか。何を食べるのか。
実際に迎えてみると、小さな水槽の中にも、それぞれ理由のある環境づくりが必要だと分かってきました。
この記事では、オカヤドカリの基本的な飼育方法について、わが家で実際に飼い始めた経験や写真も交えながら、初心者向けにまとめます。
なお、わが家の飼育環境もまだ完成形ではありません。実際の様子を見ながら、必要に応じて少しずつ見直しています。
オカヤドカリを飼う前に知っておきたいこと
この記事で扱うのは、海の中で暮らすヤドカリではなく、陸上で生活するオカヤドカリです。
陸で活動するとはいっても、乾いたケースの中で飼える生きものではありません。
潜ることのできる床材、真水と人工海水、餌、引越し用の貝殻、登ったり隠れたりできる場所などを用意し、オカヤドカリが自分で居場所を選べる環境をつくります。
また、日本に生息するオカヤドカリの仲間は天然記念物として保護されています。野外で見つけた個体を安易に持ち帰るのではなく、飼育する場合は適切に流通している個体を迎えるようにします。
わが家のオカヤドカリも、お店から迎えました。
まずそろえたい飼育用品
オカヤドカリを迎える前に、まず生活の土台になるものを用意します。
- 飼育用の水槽・ケースと蓋
- 潜るための床材
- 真水を入れる容器
- 人工海水を入れる容器と人工海水の素
- 餌
- 引越し用の貝殻
- 流木や隠れ家など、登ったり隠れたりできるもの
- 温度や湿度を確認するための温湿度計
こうして並べると多く感じますが、それぞれに役割があります。
わが家で実際に最初に購入した用品と、水槽を立ち上げた過程については、別の記事で詳しく紹介しています。
水槽の中をどうつくる?
用品をそろえたら、オカヤドカリが暮らせるように水槽の中をつくっていきます。
単に用品を並べるのではなく、潜る場所、水を使う場所、歩く場所、登る場所を水槽の中にどう確保するかを考えます。
水槽は「ヤドカリが入る大きさ」だけで考えない
わが家では、最初の水槽としてコトブキ工芸の「クリスタルキューブ200」を使っています。
20cm四方のガラス水槽で、現在の小さな個体を迎えるところから使い始めました。
ガラス製なので中の様子を見やすく、わが家では飼育のスタート用として選びました。
ただし、水槽にはヤドカリ本体だけでなく、床材、2種類の水場、流木、貝殻なども入ります。
実際に配置してみると、床材の深さを確保しながら、地上で動ける場所も残す必要があるため、「体が入れば十分」というわけではないことが分かります。
わが家でも、この20cmキューブをずっと使い続ける前提ではなく、個体の成長や飼育状況を見ながら、今後はより大きな水槽への変更も考えています。
実際に使っている水槽
※実際にわが家で使用しているものと同じ商品です。
床材は「歩くための床」だけではありません
オカヤドカリにとって床材は、地上を歩くためだけのものではありません。
脱皮するときには床材の中へ潜るため、体を隠せる深さと、潜れる場所そのものを確保する必要があります。
図の約3cmと約10cmは、一般的な「この深さなら必ず大丈夫」という意味ではなく、現在のわが家の水槽を模式化した実例です。
現在飼っている個体は貝殻込みでおよそ2~3cmほど。手前を浅く、奥側に沿ってある程度の面積を深くしています。
床材には圧縮タイプのマットを2個使用しました。
購入したお店で教えてもらった方法を参考に、お湯を使ってほぐしています。2個に対して使ったお湯は合計で約700mlでした。
これが、思っていた以上に大変な作業でした。
注いだ直後のお湯は当然熱いため、手で触るのは難しく、わが家では靴洗いブラシの柄の部分を使って崩しました。
完成後に測ると、浅いところで約3cm、奥側の深いところで約10cm。
一点だけを山のように高くするのではなく、奥側に沿ってある程度の面積が深くなるように傾斜をつけています。
個体が成長すれば必要な環境も変わるので、ここも今後見直していく予定です。
真水と人工海水は2つの水場を用意する
オカヤドカリには、真水と人工海水の両方へアクセスできるようにします。
ひとつの水入れで兼用するのではなく、それぞれ別の容器を用意します。
水入れは、水を入れられれば何でもよいわけではありません。
小さな個体でも出入りしやすく、水場から戻れなくならない形にすることも大切です。
わが家でも、実際に使う様子を見ながら、水場の大きさや置き方は調整していきます。
温度と湿度も確認できるようにする
オカヤドカリの飼育では、温度や湿度も大切な要素です。
特に、見た目だけでは「今どのくらいの環境なのか」が分かりにくいため、温湿度計があると確認しやすくなります。
わが家では、この記事を書いている時点ではまだ温湿度計を導入できていません。
そのため、ここでは使っていない機器を詳しく「おすすめ」として紹介することはせず、実際に導入したあとに設置場所や使い勝手を追記する予定です。
流木や隠れ家で立体的な場所をつくる
オカヤドカリを見ていると、床の上だけで過ごしているわけではありません。
流木を登ったり、物陰へ入ったりと、水槽の中を立体的に使います。
わが家では流木を2点と、もともと持っていたサンゴを組み合わせています。
レイアウトを凝ることそのものよりも、登れる・隠れられる・移動できる場所をつくることを意識しています。
毎日の餌とお世話
水槽ができたあとに始まるのが、日々のお世話です。
わが家では、まず購入したオカヤドカリ用の餌を少量ずつ与えています。
餌を入れたら、それで終わりではありません。
どのくらい食べているのか、食べ残しがあるのか、水は汚れていないか。そうした小さな変化を見るのも毎日のお世話のひとつです。
実際に飼ってみると、何か大きな作業を毎日するというより、水槽をのぞいて少しずつ様子を見る時間の方が多いと感じています。
昨日とは違う場所にいたり、いつの間にか餌が減っていたり、流木に登っていたり。
静かな水槽の中でも、よく見ると小さな変化が起きています。
脱皮と引越しはそっと見守る
オカヤドカリの成長を考えるうえで、特に気をつけたいのが脱皮です。
床材の中へ潜って姿が見えなくなると、どうしても「大丈夫かな」と確認したくなります。
ただ、潜っている個体は脱皮の準備中、あるいは脱皮中である可能性があります。
姿が見えなくても、確認のために床材を掘り返すのではなく、まずは静かに見守ります。
そして、もうひとつ成長と関わるのが貝殻の引越しです。
オカヤドカリは、成長や好みに合わせて別の貝殻へ移ることがあります。
そこで、今背負っているものとは少し大きさや形の違う貝殻を複数用意し、本人が選べるようにしておきます。
こちらが「これが良さそう」と思った貝殻を本人が選ぶとは限りません。
たくさんの貝殻を前にして、どれを選ぶのか。それもオカヤドカリを飼う楽しさのひとつだと思います。
実際に飼い始めて分かったこと
飼う前は、必要な用品を買って、水槽の中へ並べればひとまず完成するようなイメージを持っていました。
実際にやってみると、そう単純でもありませんでした。
たとえば床材。
圧縮された状態ではコンパクトですが、実際にお湯を含ませてほぐすのは想像以上に大変でした。
20cmキューブへ実際に敷いてみると、1個では深い場所の厚みが心許なく感じたため、最終的には2個使いました。
水槽の大きさについても同じです。
ヤドカリ自体は小さくても、床材、水場、流木、貝殻を入れると、必要な空間の見え方は変わります。
このブログでは、最初から何もかも知っていた人の「正解集」ではなく、実際に飼いながら調べ、迷い、改善したことも含めて残していきたいと思っています。
今後、水槽を大きくしたり、温湿度計を導入したり、新しい餌や飼育用品を試したりすれば、その結果もこの記事や個別の記事へ追記していきます。
小さな貝殻を背負って歩くオカヤドカリ。
一見すると静かな生きものですが、その暮らしを見ていると、水槽の中にも思っていた以上にたくさんの選択があります。
潜る場所を選ぶこと。水を選ぶこと。貝殻を選ぶこと。
こちらが全部を決めてしまうのではなく、ヤドカリ自身が選べる環境を少しずつ整えていく。
まだ始まったばかりの飼育ですが、これから分かったことも、このページに少しずつ残していきます。


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